【女性向けボイス】年下の秘めた思い「どうしたの? お姉さん顔が赤くなってるみたいだけど…。」



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台本

(雨上がりの道を歩く)
中学最後の夏休みだってのに、補習で学校とか最悪だぁ…。
全然夏休みらしくもねぇし、お姉さんを夏祭りにだって誘えてねぇ。
あ、でもいきなり誘ったら変かな?
ここ2年ぐらい会話すらまともにしてないのに……?
どーしよーっ! 悩む。

(ざわざわと騒いでいる周囲)

なんだ、騒がしいな。なに皆して空見上げて……うわぁっ、虹だぁ……!
お姉さんと最後に会った日も確か虹が出てたよなぁ。(過去を懐かしんでいる)
どうしてんだろうなぁ……お姉さん。

(ちゃぷちゃぷと濡れた歩道を歩く音と夕方の5時を知らせる鐘の音)
(歩きながら)高校生は部活で忙しいのかな?
会いたいなぁ、お姉さんに。

…って、あれ? あの後ろ姿は…!?
(走りながら)お姉さんっ! お姉さんっ!
(目の前で立ち止まって呼吸を乱しながら)…っ、ハァッ…お姉さん、オレのこと覚えてる?
覚え、てる? ホント!? 覚えててくれてたの? そう、お姉さん大正解だよ!
オレは井関真人(いせきまなと)、お姉さんとはオレがもっと小さかった頃に一緒に遊んでた!
花火大会も見に行ったし、家の中でいっぱい遊んだよな!
でもお姉さんが高校生になってから全然会えてなくて、その……仕方ないんだろうなぁ、とも思ったけど。

あっ、ごめん、オレ一人で喋りだしちゃって!

ただそのオレ、ちょっと寂しくてさ……。
お姉さんと全然会えなかったし、高校生になってから……すごく距離が遠くなっちゃったような気がして。

なっ、笑ってんじゃねー! 寂しがって悪いかよ!
オレは一人っ子だから、お姉さんがいてくれてすごく嬉しかったし、本当のお姉ちゃんみたいでめちゃくちゃ楽しかったんだ。
お姉さん、優しいから。

なぁ、久しぶりに会ったんだし、一緒に帰んねー?
オレずっと胸に抱えてて、お姉さんに言えなかったことがあるんだ。

一緒に帰ってくれるんだな! よっしゃ!
お姉さんの隣に並ぶのも久しぶりでなんか緊張する……。
高校生になったらもっと変わるのかなぁとか変に想像してたんだけど、お姉さんは全然変わってなくて、
オレ、後ろ姿だけで気付いたんだぜ?
髪型は……昔とちょっと違ってたけど、雰囲気とかは全然で……。
あぁオレが好きになったお姉さんだって、すぐに分かったんだ。

あれ? オレ、今なんかおかしなこと言った?
どうしたの? お姉さん顔が赤くなってるみたいだけど…。
もしかしてお姉さん照れてる?
オレが好きになったって言って……照れてるんだ、お姉さん! 可愛いなぁ!

オレさ、昔からお姉さんのことが好きだったの。
お姉さんがオレのことをどう思ってたかどうかは分からないけど、オレは好きだった。

ねぇお姉さん、昔オレとお姉さんとで隣町まで買い物に行ったの覚えてる?
母の日のプレゼントを買いに小さな財布を握り締めて隣町まで歩いてさ、隣町に着いたのはいいけどお店を見つけられずにぐるぐる、ぐるぐる歩き回って。
そのうえあの頃は二人ともスマホとか持ってなかったでしょ?
慣れない町の風景にオレらはあっという間に迷子になっちゃったんだよな。

オレは正直お姉さんと見知らぬ街に遊びに行けるんだぁってすごく楽しんでたんだけど、
お姉さんは迷子になっちゃったことにすぐ気が付いたんだろうね。

オレを怖がらせないように、不安にさせないように一生懸命だったんだけど、
お姉さん困っちゃうとすぐに顔に出ちゃうから、年下のオレでも分かっちゃうくらいあたふたしてた。
今にも泣きだしそうだったのに、年下のオレがいるから必死に我慢して、お姉さんをしてた。
でもオレには、あの時間すらすごく楽しく感じちゃってさぁ。
迷子になってはいたんだけど、お姉さんと二人きりのちょっとした冒険? ぐらいにしか考えてなくって、ドキドキしてたんだよね。

その頃からかなぁ、お姉さんが困らないように、
万が一お姉さんが困ってもいいように、オレがしっかりしよう!
オレがお姉さんを助けてあげるんだ、
お姉さんが泣きたい時に泣いちゃえるぐらい、
頼りがいのある男になりたい! って思ったんだ。

お姉さんのことが好きって気持ちは嘘じゃないよ?
むしろ昔より、今のほうがその気持ちは強くなって、
もしも夏祭りに一緒に行けたら告白したいなぁとか考えてたんだけど……。

先に話しちゃった。(微笑む)

ねぇお姉さん、今年の夏祭り一緒に行きませんか?
返事はまた今度でいいけど……って、お姉さん今頷いてくれた?

一緒に夏祭りに行ってくれるの?
ホント!? めちゃくちゃ嬉しい、どうしよ…本当に嬉しい!
ありがとう、お姉さん! オレ、今から夏祭りの日が楽しみだよ!

あっ……でもずっと聞けなかったんだけど、
お姉さん高校生になってから彼氏、とか……できてないの?
……そっか、彼氏…いないのか…。
ごめん、なんか今オレすごく安心しちゃった。
でも、そうだよな、
彼氏がいたらオレと夏祭りになんて行けないもんな。

いなくてよかった……とか考えていいのかは分かんないけど、よかった…。
オレ、お姉さんの彼氏になれる可能性はゼロじゃないんだね!
あとはもっとお姉さんにドキドキしてもらえるような男の人になれたら……お姉さんの彼氏になれる?

いやっ、やっぱり今は言わないで!
オレが告白したら返事を下さい。
昔一緒に花火を眺めた鳥居の下で、オレ、お姉さんに告白をするから。



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