カッコイイという言葉とは別に、アニソンの女王と言えば、
堀江美津子という人が多いですが、真のアニソン女王は「大杉久美子」です。
おそらく、皆さんのお父さんやお母さん世代、
そして皆さんが一度は見たことがあるアニメの主題歌を必ず歌っています。
「あらいぐまラスカル」「母をたずねて三千里」「フランダースの犬」「アタック№1」「エースをねらえ!」「クジラのホセフィーナ」…
数多くのアニソンを歌った彼女は、出産後声質が変わり、
透き通った美しい声が出せなくなったと、20代の若さで第一線を退きました。
今のように機械で音声をどうにでもなる時代ではありません。
生の歌声であの澄み切った歌声を奏でていました。
大杉久美子は現役の頃、アニソンは大人ではなく、耳が敏感な子どもたちが聞くものだから、
本当に良いものでなければいけない、とこだわりを持って歌っていました。
アニソンの他にも、童謡や幼稚園の園歌等も依頼されて歌っていました。
おそらく、50年を超えるアニソン歴史上、彼女ほど美しく澄んだアニソン歌手は聞いたことがありません。
あれから20年、今アニソンは新しい世代に入っています。カッコイイ女性アニソン歌手といえば、
と聞かれると30人以上の名前が上がります。
2000年代に入りあまりに多くの女性ボーカリストがいるため、
とりあえず、こちらでは2009年までに活躍した10人を紹介します。
・第10位「風がそよぐ場所」小松未歩
「名探偵コナン」を中心に2006年まで活躍したアニソンのボーカリストの一人です。
『名探偵コナン』の主題歌「願い事ひとつだけ」「氷の上に立つように」『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』「あなたがいるから」の他、
『モンスターファーム 〜円盤石の秘密〜』の「風がそよぐ場所」『メルヘヴン』「I just wanna hold you tight」を歌っていました。
「風がそよぐ場所」には「住みづらくしたのは自分たちの責任」というフレーズがあり、この歌はちょうど環境、
エコということが社会で口にされるようになった当時を、代表しているような歌詞です。
出典:モンスターファーム
・第9位「魂のルフラン」高橋洋子
1991年から活躍中の高橋洋子と言えば平成を代表するアニメの一つ、
『エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」ですね。
1995年にリリースされてからすでに20年を過ぎましたが、
その後の「魂のルフラン」と2曲、今でもカラオケで良く歌われるアニソンの一つです。
20代・30代はもちろん、50代以上のアニメファンにも人気のアニソン歌手です。
他にも『らんま1/2熱闘編』「フレンズ」やドラマ主題歌、バラエティー番組のテーマソングなども歌っています。
・第8位「JUST COMMUNICATION」TWO-MIX(高山みなみ)
ボーカルは声優高山みなみのTWO-MIXは、
1995年『新機動戦記ガンダムW』の主題歌「JUST COMMUNICATION」「RHYTHM EMOTION」で
日本ゴールドディスク大賞 ベスト5ニュー・アーティスト賞受賞のユニットです。
当時は素性を隠し、謎のユニットとして人気を博していました。ガンダムWが大人気となり、
その後の物語OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の主題歌も歌っています。
『名探偵コナン』でも、1998年の主題歌「TRUTH〜A Great Detective of Love〜」を歌っています。
アニメ本編には本人役として出演も!
出典:名探偵コナン
・第7位「SINCERELY 〜ever dream〜」dream
『ヒカルの碁』の主題歌「Get Over」を歌っていました。
『ヒカルの碁』の主題歌「SINCERELY 〜ever dream〜」を最後に「dream」として一度解散をしています。
『犬夜叉』の「My will」の他バラエティーや全国高校サッカー選手権のテーマソングなども歌っていました。
・第6位「Realize」玉置 成実
『機動戦士ガンダムSEED』の主題歌「Believe」でデビュー、
その後も『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主題歌の他
『D.Gray-man』のOP「Brightdown」
『白銀の意思 アルジェヴォルン』のED「Vivid Telepathy」などを歌っています。
・第5位「Secret of my heart」倉木麻衣
アニソンというより、「名探偵コナン」の女王と言える倉木麻衣。
2017年上映『名探偵コナン から紅の恋歌』の主題歌「渡月橋 〜君 想ふ〜」で
「同じ番組の主題歌を最も多く歌うアーティスト」として世界ギネスに認定されました。
NHK朝の連続テレビ小説『オードリー』の主題歌「Reach for the sky」、
アメリカドラマ『ダークエンジェル』の主題歌「Like a star in the night」はじめ
CMやドラマと様々な主題歌を歌っています。
シングルはいずれも、必ず一度はオリコン10位内に入る人気のボーカリストです。
・第4位「君という光」GARNET CROW(中村由利)
『名探偵コナン』「夢みたあとで」「夏の幻」「君という光」と『メルヘヴン』「風とRAINBOW」「晴れ時計」の主題歌を多く歌っています。
他にアニメ『モンキーターン』『ゴルゴ13』などにも楽曲を提供しています。
20年を超える『名探偵コナン』の中でも、ガーネットクロウが歌った主題歌は多く、
いずれもオリコンで10位以内にはいるというヒット曲となっています。
『名探偵コナン 天空の難破船』の主題歌「Over Drive」ではヒットチャート4位に入っています。
・第3位「妖精」May’n
2008年、中林芽依からMay’nに改名し活動を開始していから、一息にアニソンの女王に駆け上がった女性ボーカリストです。
May’n名で初めてのシングルアニメ『マクロスF』のシェリル・ノームとして歌った「ダイアモンド クレバス/射手座☆午後九時 Don’t be late」が
オリコンヒットチャートで週間連続上位に入ってからは、
アニメファンだけでなく、音楽好きの人たちにその名前が広がりました。
2010年代にデビューしたアニソン歌手の中には「鈴木このみ」をはじめ、
彼女に憧れてデビューを果たした人が多くいます。
「妖精」はシェリル・ノームとして歌う挿入歌です。
『マクロスF』の他、『アクセルワールド』『アクエリオンロゴス』2010年以後も活躍を続けるアニソン歌手です。
2018年には『魔法使いの嫁』のOPで新曲「You」を歌っています。
・第2位「青春ライン」 いきものがかり(吉岡聖恵)
2017年に活動を休止したいきものがかりは、
2006年にメジャーデビューしてから数多くのアニソンを提供してきました。
『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のOP「ブルーバード」『天保異聞 妖奇士』のOP「流星ミラクル」『おおきく振りかぶって』「青春ライン」『BLEACH』「HANABI」『名探偵コナン 11人目のストライカー』「ハルウタ」『七つの大罪』「熱情のスペクトラム」と、人気アニメの多くの主題歌を歌っています。
他にも、ロンドンオリンピック、NHKの朝の連続テレビ小説主題歌と、
多くの主題歌やテーマソングを手掛けた人気ボーカリストです。
・第1位「翼を広げて」ZARD(坂井泉水)
大杉久美子、堀江美津子世代の子どもをターゲットにしたアニソンから、
世代を超えたアニソンに変わったきっかけを作ったアニソン歌手です。
残念なことに40歳の若さでボーカルの坂井泉水が逝去されましたが、
第二次アニメブーム、現代のアニソン文化を作った人と言っても良いです。
出典:名探偵コナン 戦慄の楽譜
J-POPとしても「負けないで!」「揺れる想い」といった代表曲を出しているZARDですが、
名探偵コナンをはじめ、アニソンも多く歌っています。
『ドラゴンボールZ』「Don’t you see!」『SLAM DUNK』「マイフレンド」名探偵コナン「運命のルーレット廻して」「グロリアス マインド」は
30代、40代のアニメ世代だけでなく、一緒に見ていた60代の親世代にも記憶に残る歌です。
没後も追悼アルバム等がオリコン一位、デビュー25周年アルバムが出るなど、未だ人気のあるアニソン歌手です。
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まとめ
1990年後半にZARDやH2Oと元来のアニソン歌手がアニメの主題歌を歌うのではなく、
J-POPを歌う人がアニメの主題歌を歌うという傾向に変わっていきました。
その中で、J-POPよりもアニメの主題歌を歌う機会が多くなり、
いつの間にかアニソン歌手として名前が売れてきたアーティスも多くいます。
他にも太田貴子、下川みくに、宇徳敬子、西脇唯、愛内里菜…と、
多くのアニソンを歌うボーカリストが活躍をし、
新しい世代の幕開けになったのが、この時代です。
アニソン歌手という文化が根付き、
その後、こういった歌手に憧れて今の新しいアニソン歌手が次々と登場しています。