【女性向けボイス】一途な年下男子「僕と付き合うってこと……真剣に考えてもらえると嬉しいな。」



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せんぱーい! さっき廊下で先輩の後姿が見えたから追っかけてきちゃったんだけど……。ひとりで屋上に来るなんて何かあったの?

 

何だか先輩の様子が気になっちゃって……。

 

あ、ごめん。別に無理に言わなくていいんだけど。

 

……ってかさ、屋上ってすごい眺めが良いんだねー。僕、初めて来たかも。今日は晴れてて太陽が眩しいくらい、うーん、気持ちいいー。

 

(授業が始まるチャイム)

 

あ、もう授業始まっちゃったみたいだよ。早く教室へ行こ?

 

え、先輩は行かない? しばらくここにいるって?

 

そっか……、じゃあ僕も先輩に付き合ってここに居ようかな? 一緒に居ても良い?

 

え、ダメ? 学校に来てるのに授業出ないのはよくないから、先に行っててって? ひどいなー。じゃあ、先輩が行くなら僕も行く。

 

ハハ、そんなに考え込まないで。僕、単位足りてるし。だから、今は先輩に付き合わせてよ。

 

それにしても、大丈夫? 先輩元気ないみたいだけど、何か嫌なことあった?

 

何もないって、先輩、ウソが下手だな。ほら、今にも泣きそうな顔してる。

 

僕じゃ頼りないかもしれないけどさ、先輩がちょっとでも楽になるなら話してみてくれないかな。

 

 

 

――そっか、友達の彼氏が先輩のことを好きになっちゃって、先輩が友カレを誘惑したと勘違いされてるってこと? で、その友達とぎくしゃくしてそれでどうしようか悩んでるってことか。

 

なんだか複雑―。

 

あのさ、ひとつ聞くけど。先輩、本当にその友カレとの関係で、疑われるような心当たりは無いってことでいいんだよね。

 

ふーん、相手には告白みたいなことは言われたけど、友カレってこともあるし、その気は無いってちゃんと断ったんだ。でもさ、先輩本当にちゃんと断った?

 

先輩のことだから、戸惑って逃げちゃったとか無いよね? それ断ったうちに入らないから。

 

え、待って待って、僕は先輩のこと疑ってないよ? たださ、先輩って誰にでも優しいから、すぐに勘違いされちゃうんじゃないかなーって思っただけ。

 

だってこの前の放課後、突然雨降ってきたときに、傘忘れた男子に折り畳み傘貸してあげてたでしょ?

 

それって、絶対、相手に気があるって勘違いされるから。

 

それに、一昨日だって、先生に授業の資料運べって言われたでしょ。だからって、あんなにたくさんの資料をひとりで運ぶなんて信じられない。

 

できないときは、ちゃんとできないって断んなきゃ。運ぶ資料減らすとか他の人にも頼むとかいろいろ方法があるんだから。先輩は、お人好し過ぎるんだよ。

 

え、それより、あの時は一緒に荷物運んでくれてありがとうって? 先生に頼まれた資料が重かったから手伝ってもらえて助かった?

 

ぼ、僕はたまたま通りがかっただけで、別にたいしたことしてないっていうか……。それに、先輩が困っていたら放っておけるわけないし。

 

優しいんだね、って……。

 

……っ、僕だって誰にでも優しいわけじゃないから、それこそ勘違いしないでよね。

 

って、何でもない。それより、今はその友達の誤解を解くってのが先決かな。

 

友達とはちゃんと話した?

 

聞く耳を持ってもらえなくて、まだ話せてない? そっかー。確かに、自分の彼氏が心変わりした女の話なんて聞きたくないよねー。困ったなー。

 

……わわっ、ごめん! 今、僕先輩のこと傷つけた? そんなに落ち込まないでよ!

 

悪気があったわけじゃなくて、いわゆる一般論っていうか……僕が勝手に世の中の女性の心の中ってのを考えただけだから、気にしないで!

 

じゃ、じゃあさ、こういうのはどう?

 

先輩が、新しい彼氏を作る……!

 

えっ、て……そんなに驚かないでよ。僕は、これが一番友達の誤解を解きやすい方法だと思うな。

 

だって、先輩に彼氏ができれば友達だって彼氏を誘惑しただなんて思わないだろうし、友カレも先輩のこと諦めるわけでしょ?

 

だから、先輩に彼氏ができればいいんだよ。

 

ってことで聞くけど、先輩彼氏はいるの?

 

あ、その顔……もしかしていない? じゃあ好きな人は?

 

え、好きな人もいないんだ。それって、彼氏候補がいないってことだよね。

 

うーん、じゃあさ……ひとつ提案していい?

 

彼氏候補に、僕なんてどう?

 

えー、そんなに驚かないでよ。多分、思っているほど難しいことじゃないはず。

 

え? 彼氏彼女の関係になるなんて難しい? そんなに簡単になれるものじゃないって?

 

確かにそうか……好きな想いが一方通行じゃ確かにダメだよね。

 

じゃあ聞くね? 先輩は僕のこと嫌い?

 

嫌いじゃない? そっか、良かった。僕はね、先輩のことが好きだよ。友達として好きってことじゃなくて、付き合いたいと思う好きってこと。

 

だから、先輩の誤解を解くための彼氏、僕じゃダメかな? と思ったの。

 

ハハ、そんなに戸惑わないで。今すぐ返事が欲しいとか強引に作戦を進めようとか、そういうのじゃないから。

 

確かに先輩に彼氏ができたら友達の誤解が解けると思ったのは本当のことだけど、僕が先輩と付き合いたいくらい好きっていうのは嘘じゃないから。

 

先輩が悩んでたからって理由だけで、彼氏役として立候補したわけじゃないからね。これだけは信じて。

 

僕と付き合うってこと……真剣に考えてもらえると嬉しいな。

 

はは、ごめんね。なんか逆に悩みを増やしちゃったかも。

 

あーあ。でも、なんか悔しいなー。

 

僕が彼氏だったら、悩んでる先輩のことをいっぱい慰めてあげられるのになーって思ったら、なんかもどかしい。

 

実を言うと今もさ、泣きそうな先輩を思いっきり抱きしめて、いっぱいキスしたい気持ちをめちゃくちゃ我慢してるんだよね。

 

――だから、僕が付き合ってって言ったこと、ちゃんと考えて、ね。

 



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