【女性向けボイス】君との未来を誓う「その時の分まで、お前が俺を忘れないように」



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台本

っ、待ってくれ。突然帰るってどうかしたのか。

 

お互いに仕事が忙しかったとはいえ、せっかく3週間ぶりに会えたんだ。俺の部屋に来てまだそう時間も経ってない……。

 

それに、今日、俺に話があるって言っただろう。俺は、まだお前の話を聞けていない。

 

何か隠し事してないかって……あぁ、さっきも言ったけど、お前に隠してることなんて何もない。

 

嘘って……待て。少し落ち着いてくれ。

 

確かに……俺たちは同じ会社でも部署が違う。ここ最近はお互いに残業が続いてゆっくりと話す時間が作れなかった。連絡も頻繁に取れていなかったのは分かってる。

 

だが、俺はお前に嘘をつかなきゃいけないことは何ない。信じてくれ。

 

……ここまで言っても納得できないか。

 

お前、さっきから、ずっと何か言いたそうにしているな。俺に言いたいことがあるなら言ってくれて構わない。

 

お前の言うことはすべて受け止めるつもりだ。

 

え、海外に転勤になるんだろうって……?

 

ああ、そうか。お前……そのことが心に引っかかっていのか。

 

あぁ、そうだ。3日ほど前のことか。確かに次の人事異動で、香港支店行きへの内示が出た。

 

行くのかって……そうだな、そのつもりだ。

 

っ、待ってくれ! まだ話は終わってない。

 

そのことで俺からもお前に話がある。だから、今日お前と会うにはちょうど良いタイミングだと思った。頼む、少しだけ時間をくれ。俺の話を聞いてくれないか。

 

……ありがとう。じゃあ、お互いに少し落ち着こう。

 

玄関先ではゆっくり話すことができないから。リビングに戻ろう。コーヒーを淹れるよ。

 

 

――ほら、熱いから気を付けて持って。

 

うまいか、良かった。

 

え、コーヒーの好みをよく覚えてたって? ……はは、ミルク多めの砂糖なし、お前の好みを忘れるわけがないだろう。

 

ところで……さっきの海外転勤の話だが。

 

どれくらいの期間香港に行くか……そうだな。最低でも1年とは言われている。結果次第では期間が伸びるかもしれないとのことだ。

 

香港に行ったら、お前と離れ離れになるということも覚悟した。だが、決してお前に隠していたつもりはない。俺の心の整理が付いたら必ず話そうと思っていたよ。

 

香港への移動を断ることはできなかったのかって……?

 

そうだな。俺自身、仕事において今が踏ん張り時だと思ってる。だから、香港行きを断る選択枠は……無かった。

 

……え?

 

俺たちはお互いの道を歩んだ方が良い? 付き合っていることが俺の重荷になるから、もう別れよう……?

 

ちょ、ちょっと待ってくれ。俺も別れ話をしたかったんだろう……って、それは誤解だ。

 

俺はお前と別れるなんて微塵も考えてなかった。

 

まさか、お前の話したいことっていうのは、別れ話だったのか。

 

っ、俺は、そこまでお前を追いつめていたということか。それで……今日は、覚悟を決めて俺のところに来てくれた、そういうことだったのか。

 

俺は、何も分かっていなかったよ。こんなにもお前のことを不安にさせていたなんて気付こうともしないで。

 

仕事が忙しくて、しばらく会えなかったというだけじゃない。香港への移動のことも……もっと早くにお前に伝えるべきだった。

 

……ふー、わかった。お前がそこまで覚悟を決めて俺のところまで来てくれたんだ。俺も覚悟を決めて本当のことを言う。

 

 

――香港行きの内示が出たとき、もちろん俺は真っ先にお前に伝えるつもりでいた。お前に会って、香港に着いてきて欲しいと言おうと考えていた。

 

お前にいつ言おうか考えていると、胸が高鳴ったよ。ずっと一緒に居られるきっかけができたみたいで。

 

だが、しばらく考えると、お前を俺の都合で香港へ連れていくことは、自分のエゴなんじゃないかと思えてきたんだ。

 

今は、お前も仕事が軌道に乗っている時期なのは知っている。俺のエゴでお前を手元に置いたところで、お前の将来を壊すんじゃないかと思った。

 

それに……もし香港へ行くことをお前が望まなかったら……拒否されたら、と思うと少しだけ怖かった。

 

お前は、俺が香港に着いてきて欲しいと言ったらOKしてくれたか?

 

そうか、分からない……か。そう言うと思ったよ。

 

俺たちはもしかしたら、今は自分の基盤を作る期間なんじゃないかと思ってる。

 

俺は香港に行って必ず成果をあげて帰ってくる。お前も……今は自分の仕事に専念しなきゃいけない時期だと本当は分かってるんだろう?

 

はは、素直に頷くんだな。

 

約束する。俺が香港に行けばしばらく離れることになるが、毎日連絡をするよ。まとまった休みができたら必ずお前の元に戻ってくる。

 

離れていても、お前のことを不安にさせないと誓う。俺は、もうお前の涙を見たくない。

 

たとえ遠く離れていたとしても、俺はお前をずっと愛してる。

 

(キス)

 

しばらく離れることになったら、お前が寂しいとき、つらいときにすぐに駆け付けて抱きしめてやることができないかもしれない。

 

だから、今はその時の分まで、お前が俺を忘れないように思い切り抱きしめさせてくれ。

 

(ディープキス)

 

それともうひとつ決めておきたいことがある。

 

香港から戻ってきたら……俺の嫁になるって約束してくれ。

 

 

おわり



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