【女性向けボイス】異世界の住人「あなたさえよかったら、僕の手を握っていてくれませんか?」



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(夜、小鳥のさえずり。森がざわめいている)
すっかり夜になっちゃったね…大丈夫?怖くない?
僕もいまいち状況が飲み込めてないんだけど、あなたはこの世界の人じゃないんだよね?
そっ、か……やっぱり、そう、なんだね。
普段僕のことを見ると人間は皆怖がって逃げていくんだ。
でも、あなたがそんなことをしなかったのは…この世界のことを全く知らない他所の人だから。

安心してとも強くは言えないし、一緒にいれば怖くないよ、なんて綺麗な言葉を言えはしないけど、元の世界に帰れたらいいね。
こんな森の中にテントひとつで眠るんじゃなくて、あなただけの居場所、温かなベッドで眠ることができたら…いいんだけど。
ごめんね、僕はどうしてあなたが僕たちの世界に迷い込んでしまったのか全然分からないんだ。

それに僕はあなたみたいな人間じゃないから…町まで入ることはできない。
だから明日朝になったら町の手前までは一緒に行くけど、その後は…自分で元の世界に戻る方法を探して欲しい。
僕みたいな獣人がいたら、この近くの町じゃ人間と話すこともできないし、町に入ることもできないから。

こんな暗がりな森で眠ることは今まではなかったかもしれないけど、今夜だけは我慢して欲しい。
テントも狭いし、僕みたいな獣臭い奴が普段眠ってる場所だからあまり居心地はよくないだろうけど、辛抱して。
僕? 僕はテントの外で眠るから気にしないで。
これ以上あなたに怖い思いをしてもらいたくはないんだ。
見慣れない世界で、こんな…人でもなく獣でもない男と一緒に眠るなんて怖いでしょ?
だからせめて、凶暴な獣が現れてしまった時の用心棒として外にいるから。

どんな理由であれ、他の人間と違って僕を怖がらずにいてくれたあなたは優しい人だから。僕はあなたを守りたい。
もしも明日、町へ移動している間や、今夜この後で人間に見つかったら、急いで人間の方へと走るんだよ?
僕が無理矢理人間を連れ込んだって思わせれば、あなたは悪いようにされないはずだからね。

あなたも私と同じ人間じゃないか、って?
ううん、僕はあなたとは違う。
あなたは異世界の住人であったとしても、人間だ。
それはこの世界の人間と同じような姿をしているから、人間だって判断してるのもあるけど……。
僕は違う。
あなたがいた世界に僕のような人間は絶対にいなかったはずだよ。
僕が生まれ育ったこの世界でも、僕みたいな奴は快く思われてはいないんだ。
だって、僕は人間じゃないから。
(口の中をもごもごさせる→隠していた牙を生やす)
あなたがいた世界に、こんなに鋭い牙を生やした人間はいたのかい?

それにさっきから僕がかぶっているフードの中身が気になっていたようだけど、見てみたい?
そう、見たいんだ。だったら覚悟しておいたらいいよ。
正直牙以上のインパクトはないだろうけど、あなたの世界には存在しなかった種類だから、驚いちゃうかな…。(悲しそうに)

(フードを取る)
これがあなたの言う人間かな?
狼の大きく立ち上がった耳に、普通の人間にはありえない長い尻尾。
そして鋭利な牙…。
ねぇ、これでも僕をあなたと同じ人間だって言えるの?
言えないよね。(悲しげに)

僕がこんなだから大切な人を失う羽目にもなったんだよ。(悲しく呟く)

(努めて明るく)さ、恐怖心を煽ってしまったけど早く眠ったらいいよ。
なんて…怖がらせた僕が言えるようなことではないけどね。
なにさ、やっぱり僕が傍にいたんじゃ眠れない? 怖いのかな?
ウソばっかり、怖がってないなんてウソだ。
僕が本当に人間じゃないと知って怖いんだろう?
素直にそう言いなよ。僕はあなたに危害を加えるつもりはないけど、そう受け取ってもらえないことも充分に分かってる。
僕は今までそんな人間ばかりを見てきたから、分かってるんだ…。

ちょっと、いきなり腕を掴んでどうするつもりさ…。
僕が…優しい人だって? 寝言は寝てからいいなよ。
あなたを救ったのはただ…あなたが昔僕と一緒に住んで、僕を守ってくれていた大切な人に似てたから。
ただそれだけ、優しいとかじゃないよ…。

でも、ありがとう。
人とまともに会話をするのなんて久しぶりだから嬉しい。
それに…あなたの手、すごく温かい。あったかいよ…。(過去を思い出して涙ぐむ)

なに、どうかした?
僕みたいな獣人でも泣くんだねって?
そりゃ泣くよ……あなたにとってこの世界はよく分からない場所で、早く帰りたいはずなのに、
人間でも獣でもない、獣人の僕に手を伸ばしてくれたあなたの優しさが…僕はすごく嬉しかったんだ。
ありがとう。

あなたさえよかったら、僕の手を握っていてくれませんか?
一緒に眠ったりとかはしないから、あなたのその温もりだけでもいい、感じさせていて欲しいんだ。
あなたが元の世界に帰ってしまったら、僕はまた一人ぼっちになってしまうから。

…ありがとう。
やっぱり僕なんかよりあなたは優しいよ。
元の世界にちゃんと帰れるといいね。心の底から祈ってる。



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