【女性向けボイス】起きないからですよ「君のすべてが…欲しいと思ってしまう」



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(足音)
いつまで寝ているつもりですか? そろそろ起きなさい。
まったく…何度目だと思っているんです。これでは二度寝どころか、四度寝ではないですか。
君は少しばかり朝に弱すぎます。起きようという心構えがそもそも足りないのであって――。

…それはさっき聞きました。
…それもさっき聞きました。
もうこれ以上、君の寝起きの悪さには付き合っていられません。毎朝起こす僕の身にもなってください。

ほら、布団を剥ぎますよ。
(布団の音)
起きなさい。朝食の支度がじきに整います。
…そうですか。まだ起きないつもりですか。

それなら、こちらにも手があります。
(ベッドの軋む音)
(リップ音)
…ほら、起きなさい。
(リップ音)
(ディープキス音)

…なんですか。声が小さくて、言っていることがよく聞き取れないのですが。
(リップ音)
もう少し大きな声で言っていただけないと、わかりませんね。
(衣擦れの音)

そういえば、このあいだの夜の君はすごかったですね。
日中はあんなにも勇ましい女性だというのに、夜になるとまるで子犬のようだ。
…いや、子犬はあんなにも淫らな声で鳴いたりはしませんから、これは例えがふさわしくありませんでしたね。

(リップ音)
そんなによかったというのなら、ここでもう一度、あの夜を再演してもいいのですが。
今日も君は朝から仕事ですが…なぁに、君なら大丈夫でしょう。
それに、何度起こしてもなかなか起きてはくれないのですから、仕方がありませんよね。

(リップ音)
…ん?
…もう起きるのですか? あわてる必要はないのですよ。
…ああ、僕のことなら、気にしないでください。朝食の支度も、君に合わせて融通をきかせることが出来ますから。
なにせ、どれだけ起こしても一向に起きようとしない君に、毎朝付き合っているんですからね。

…おや、本当に起きてしまうのですか。…そうですか。
まぁ、起きてくれるのなら僕も助かります。
顔を洗って、早く来てくださいね。

【間】
(足音)
きちんと顔は洗いましたか?
さぁ、もう準備は出来ていますよ。そこに座ってください。

…どうして朝から和食なのかって?
君が昨日、和食が食べたいと言ったのでしょう。どうやら、まだ覚醒しきっていないようですね。

(椅子を引く音)
…いただきます。…ほら、君も手を合わせて。
(手を叩く音)
(食器の音)

しかしながら、君の寝起きの悪さには困ったものですね。
寝付きはいいのに、どうして寝起きは悪いのか。理解に苦しみます。
…もう今日のような起こし方はやめてくれ…?
君がすぐに起きてくれるのなら、ああいったことをする必要もなくなるのですがね。

…ああ、まったく。口許が汚れていますよ。
…そっちではありません。こっちです。
(椅子が動く音)
本当に、君は…。朝になると、途端にポンコツになりますね。

(スマホの着信音)
…電話ですよ。君への連絡のようですね。
…食事中の電話やメッセージのやり取りは控えてください。それは朝食を用意した僕に対して、失礼にあたるというものです。

それに…。…その電話、また君の弟からなのではないですか?
…やはり。常々思っていましたが、君の弟は少々…君に甘えすぎです。そもそも、こんな時間に連絡をしてくること自体、どうかと思うのですが。
朝のこの時間帯が忙しいのは、考えなくてもわかるはずです。

…君がそうやって甘やかすから、君の弟は図に乗っていくのですよ。
先日、僕と君が街に出かけた際も、何度もしつこく連絡をしてきていましたね。流石にあれには常識を疑いました。

…怒っては、いません。もっとも、君の弟に好意的な感情をいだいてもいませんが。
思い返せば、僕と君が交際を始めた当初から、君の弟は不必要に僕に絡んできていましたね。暴力が法律で禁じられていなければ、彼の歯の一本や二本は折ってやりたいところです。

…冗談? 申し訳ありませんが、僕はこういった冗談は得意ではありません。本気です。
今度、弟くんに会ったときには一言つたえてやってください。「法律のおかげで命拾いをしたな」…と。

さぁ、料理が冷めてしまいます。温かいうちに、いただきましょう。
【間】
(食器の音)
…ごちそうさまでした。

さて、会社に行く準備に移りましょうか。
(スマホの着信音)
…また弟くんからですか? …しつこいですね。

…出るのですか? 電話…。
…いえ、駄目というわけでは…。
…………。
(足音)

…やはり、いけません。電話には…出ないでください。
…僕は、自分の感情を抑えることは、得意なはずだったのですが…。
君には、これ以上、嫉妬を隠し通すことが出来そうにありません。
(リップ音)

…弟だということは、わかっています。君が家族を大切にしていることも…わかっているつもりです。ですが…。
――君の弟に、これ以上、君を取られたくはありません。
僕だって、嫉妬くらいはするのです。君を誰にも取られたくないと思っているし、君のすべてが…欲しいと思ってしまう。

すべてが手に入るわけはないと、そんなことは理解しているのですが…。
…君を想う気持ちだけは、僕はうまく抑えることが出来ない…。
(リップ音)

浅ましい男と、呆れますか?
…本当に? 本当に、呆れないのですか…?
僕は…君が考えているほど、余裕のある人間ではないのかも…しれないのですよ…。
…それでもいい、と…?

…っふ…。
君と付き合い始めたばかりの頃は、うっかりした一面もある君を、僕が支えなければと思っていたのですが…。
…いつの間にか、支えられていたのは…僕のほうだったのかもしれませんね…。
(リップ音)

…しかし、君の弟に関しては、やはり許しがたい。
一度、はっきりと言って聞かせなくてはならないでしょう。いっそのこと、今から君のスマホ越しに電話をして、「これ以上僕達の邪魔をするようなら、決死の覚悟で来なさい」と――。

…弟には、君のほうから注意をしておく…?
いえ、この件は、僕と弟くんの一対一で決着をつけるべきでしょう。君を巻き込むつもりは毛頭ありませんから、そのあたりは安心して――。

…時間? …ああ、確かにもうあまり時間がありませんね。いや、しかし…。
…どうして君はそんなにも慌てているのです? …え? 話し合いで解決? なにを言っているのですか?

…今日の夕飯の予定? 今日は…そうですね、中華にでもしようかと考えているのですが…。
…餃子? …いえ、かまいませんけど…。
…そんなに食べるのですか? まぁ、作れなくはないですが…。

…え? まだ遅刻するような時間では…。
…こら、不必要に走るのはやめなさい。転んで怪我でもすれば――。
(物音)
言わんこっちゃない。
だいたい、君はいつもそうやって――…。



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