境界性パーソナリティ障害とは、感情や思考のコントロールがうまくできず、
自傷行為や薬物の乱用・自殺等、自分を傷つけてしまう等の
問題行動の多い精神疾患です。
人口の約2%にあたる患者がいると言われています。
これは100人に2人の割合で存在するということになります。
女性が約7割を占めるというこの境界性パーソナリティ障害ですが、
男性の患者もいます。
自分の身の回りの男性で、「この人もしかしたら・・・」と思う人はいませんか?
それがパートナーや家族だとしたら、
周囲の人もおそらく大変な思いをされているのではないでしょうか?
職場で、家庭で、恋愛関係で、
様々な問題を抱えてしまうのが境界性パーソナリティ障害の特徴でもあります。
男性患者の特徴と、その対処法について3つご紹介します。
1・不安定な感情
境界性パーソナリティ障害の最大の特徴ともいえるのが、不安定な感情です。
彼らはちょっとしたことでも急に激高したり、
極端な自己否定から自傷行為に走ったりすることがあります。
これは自己肯定感のなさからくるもので、
他人からの評価がないと自分というものを確立できないのです。
理解できていて当たり前と思うことに非常に執着し、腹を立てます。
その状況が繰り返されると、周囲の人間は疲れてしまいますよね。
家族や周囲にこのような症状の人がいたら、
それは境界性パーソナリティ障害である可能性があります。
そういった場合の対処法は、まず本人も周囲も、
治療が必要な病気にかかっているという認識を持つことが必要です。
病院で治療を受けるべき疾患なので、
「性格が悪い」とか「怒りっぽい」だけで片付けてはいけないのです。
そして話をする時には、冷静に話ができる状況を選ぶことが重要です。
医療機関への受診ができていない場合は、
1日も早く受診ができるようにするべきです。
2・見捨てられるのではないかという不安
幼少期に母子関係できちんと愛情を得られなかったり、
いじめや虐待を受けたことが原因とも言われている境界性パーソナリティ障害。
自分はダメなんだという否定の感情が強く、
その為他人にものすごい割合で依存をします。
恋愛関係でいえば束縛が異常に強かったり、
家庭で言えば支配欲が強かったり等という現象が現れます。
また感情が先鋭化すると、極端な思い込みや猜疑心が強くなり、
見捨てられるのではないかという不安から、執拗な攻撃を加えたりします。
自分を認めてほしいという欲求にうまく対処できないのです。
このような場合の対処法は、「いつも変わらぬ態度で接すること」です。
本人が騒いでいるからと言って、
こちらまで騒いでしまっては収集が付かなくなりますし、
安易に助け舟を出してしまうと依存度がさらに高くなります。
「あなたの助けになれるようにはするけれど、私はここにいる」
というスタンスが一番必要になります。
3・衝動行動
不安定な感情から生まれる欲求が最高潮に達してしまうと
「突然何かをする」という衝動行動に出てしまうことがあります。
例えば自傷行為や、買い物での散財、性行為への執着等が挙げられます。
何かに依存をしたいのがこの病気の特徴なので、
他人に依存できないとなった瞬間にこういった行動に出てしまいます。
対処法としては、医療機関への受診が絶対に必要となります。
衝動行動は自分を傷つける行為も含まれます。
一歩間違えると、命を落としてしまうことにもなりかねないので、
受診し、服薬することで症状を落ち着かせることが最優先です。
まとめ
境界性パーソナリティ障害の可能性のある男性が身近にいる場合、
基本的には一定の距離を置いて付き合うことをおススメしますが、
家族や夫婦といった非常に近い関係の場合は、
まず冷静に現在の状況を受け入れてください。
その上で、医療機関への受診を促したり、
治療方法を考えたりという次のステップに進んでください。
境界性パーソナリティ障害の家族会がNPO法人で運営されています。
こういったところで情報交換を行い、
知識を高めていくことも1つの方法かもしれません。