ブータンって聞くと
「国民みんなが幸せと感じている国」と思われる人も多いです。
そのくらい「幸福度が高い国」として認知されているブータン。
過去にもデンマークの幸福度が高い理由を紹介しましたが
ブータンは鎖国が長かったこともあり、
何がどう幸せなのかを知りたいと考える人はたくさんいます。
今回はどのような理由で多くの国民が「幸せ」と感じているのか。
いくつかポイントを挙げてみたいと思います。
1・国としての施策
ブータンは南アジアにある小国で、周囲をインドと中国に囲まれています。
仏教が根強く残るため、1日に多くの時間をお祈りに捧げ、
90%近い国民が農民であるため、ほぼ自給自足の生活を送っています。
ただし、日本と決定的に違うのは、GDPと言われる「国民総生産」ではなく、
GNHと言われる「国民総幸福量」という独自の指標を掲げ、
その最大化を目標としているというところです。
これはブータンが初めて提唱したもので、物質的な豊かさではなく、
国民の「幸福度」自体を高めようという国を挙げての施策なのです。
例えば
・教育費は無料。国を担う子ども達の教育に注力している。
・医療費や水道代は無料。国民の生活を最優先している。
といった日本にはない制度を導入しています。
経済的・物質的な豊かさではなく、健康や精神的な豊かさを求める
国としての取り組み方が素晴らしいのです。
2・仏教の国
ブータンは仏教の国です。
国民も仏教の教えに基づいた生活を送っています。
仏教の基本は簡単に言うと
「極端なことはいけない。ほどほどが良い」
「生きていること自体が苦。小さな喜びを見出すことで幸せを感じる」
ということです。
この教えに忠実に生きているのが、ブータンの国民なのです。
出典:聖☆おにいさん
物質的にも、経済的にも、ブータンは決して恵まれた国ではありません。
どちらかというと貧困国にあたります。
ただ、そこでどのように考えるのか?
「~が欲しい」「~が足りない」と物質的な面だけを重視してしまうと
ないことに対し不満が生まれます。
「皆が健康でいる」「家族そろって笑っていられる」と
精神的な面から見つめられるようになると、
1つ1つのあたり前が幸せに変化するのです。
仏教の教えを体現てきていることが幸せの理由の1つになっています。
出典:聖☆おにいさん
3・おおらかな国民性
仏教徒であるブータンの国民は、日々多くの時間を祈りに費やします。
ただし自分のためではなく、
家族や友人が幸せになれるようにとお祈りをするのです。
物事に執着せず、家族を大切にし、
ありのままの現実を「幸せ」として受け入れることができる・・・
そんなおおらかな国民性をブータンの人々は持っています。
そのおおらかさが、国として国民としての幸福度を押し上げているのです。
他人の不幸は蜜の味・・・そんな人が多い日本とは大違いです。
まとめ
ブータンの幸福度の高さは実にすばらしいことです。
でもそこに根差しているものは決して特別なものではありません。
物やお金といった可視化できる幸福論ではなく、
自分の心が決める幸せといった価値観を如何に育てていくかということなのです。
今の日本では、物質第一・金銭第一の
「金さえあれば何でもできる」風潮が蔓延しています。
政治家・医者・教育者といった人格者でなくてはいけない人々の
お金にまつわるスキャンダルは後を絶ちません。
お金が欲しいと自分の身体を安売りしたり、
お金のために身内を手にかける人さえいます。
そんな日本に、ブータンの人々のようなおおらかさを持てと言っても
時すでに遅し・・・もう無駄なような気がします。
詩人の相田みつをさんの「幸せはいつも自分の心が決める」という名言が
しっかりと体現されているのがブータンという国なのです。
他国からの干渉もある中で、自らの手で幸せを作り上げることは
とても強い精神力と周囲の理解が必要になります。