皆さんはアドラーとフロイトってご存知ですか?
どちらも心理学界の巨匠で、心理学を大幅に
発展させたパイオニアです。
では、この2人の関係性だったり、
お互いの考え方の相違点というのはどういった感じになるのでしょうか?
これから詳しく見ていきましょう。
1. アドラーとフロイトってどんな人
では、この2人がそれぞれどんな人なのかっていうのを
見ていきたいとおもいます。
まず、アドラーについてみていきましょう!
アドラーとは、「目的論」という考え方を提唱して
有名になった20世紀の精神科医、心理学者です。
「目的論」とは簡単に言うと
自分の人生は自分で決めているんだよという考え方のことです。
当たり前に思えるかもしれませんが、
よくよく考えると結構衝撃的な考え方です。
例を挙げて考えてみましょう。
例えば、いじめられて、
家に引きこもってしまった人がいるとしましょう。
単純に考えれば、そういったいじめられたという経験がトラウマになり、
それが原因でひきこもってしまったと考えるでしょう。
出典:デスノート
しかし、アドラーはそう考えませんでした。
アドラーは逆に、引きこもりたいという目的を達成するために、
過去のいじめられたという経験を持ち出しているのだと考えます。
つまり、いじめられたという経験が仮に真実だとしても、
そこから先の自分の人生にはなんら関係なく、
自分がどう生きていくのかは
自分の意思によってのみ決まるのだという考え方のことです。
意識を「未来」に向ける考え方だともいえますね。
出典:デスノート
では、一方のフロイトはどうでしょうか?
フロイトは、「原因論」という考え方を主流としている精神科医です。
「原因論」とは簡単に言うと、先のアドラーの考え方と
全く逆のアプローチを指しています。
つまり、自分の人生がこうなったというのは何か必ず
原因が存在するはずだという考え方のことです。
先と同じ例を用いて考えてみましょう。
例えば、家に引きこもってしまった人がいるとします。
出典:ドラゴンボール
このとき、フロイトは精神を丁寧に分析することで
その行動を取るに至った真の原因を導き出そうとします。
いじめられたからなのか、
はたまた親から愛情を十分にもらえなかったからなのか、
友達に言われた一言がトラウマになっているのか
原因によってその後の治療のためのアプローチも変わってくるはずなので、
その人の心の奥底にあるわだかまりが何なのか
本質を追求していこうという考えです。
こちらは、意識を「過去」に向ける考え方だともいえますね。
2. アドラーとフロイトの関係性
先の章では、アドラーとフロイトの
それぞれの考え方を見ていきました。
では、アドラーとフロイトって
どういう関係性だったのでしょうか?
2人は同じウィーン大学医学部出身の精神科医で
年の差は14歳でした。
出典:http://wing.area9.jp/article/0214145.html
最初は、アドラーがフロイトの書いた「夢判断」という本を読んで賛同し、
フロイトが開いた勉強会に参加もしていたようです。
しかし、最初は共感し合えていた2人も時が経ち、
考え方がお互いに成熟してきたためか、
袂を分かつことになってしまいました。
まあ、この2人は考え方が全く違うどころか、まるで正反対です。
ですから、何となく察している方もいらっしゃったかもしれません。
3. アドラーとフロイトってどっちが正しいの?
袂を分かつくらいだったので、
お互いに自分が正しいんだという信念があったことでしょう。
では実際に、アドラーとフロイトって
正しいのは「どっちなんだい?」と思いますよね。
あくまで、私の考えなのですが、結論から言うと、
どちらも半分正しくて、半分間違っていると思います。
どういうことかというと、アドラー的視点だけだと、
「過去」に対する洞察がかけているので、
「この息ぐるしさが何なのかよく分からないけど、
これからどうしていくかが大事」といった
何となく精度にかけた対処療法になりかねないと思います。
一方、フロイト的視点だけだと、
「過去のことは分かったけど、これからどうしていいか分からない」
というように「未来」に対しての視点がかけていて、
一向に前に進むことができないと思います。
ですから、大事なのは両方の視点をバランスよく取り入れること。
「過去」と「未来」の視点を
両方大事にしていくことが必要だと思います。
まとめ
(1) アドラーは「目的論」、フロイトは「原因論」をそれぞれ提唱した
(2) この2人は考え方が違うので、袂を分かっている
(3) アドラーとフロイトはどっちも正しい考え