皆さん、こんにちは。
最近、本屋さんなどでアドラーという名前を
目にする機会が増えたのではないでしょうか?
この、アルフレッド・アドラーという人は
19世紀を中心に活躍した偉い心理学者さんでした。
この人は、心理学において、
様々な革新的な考えを世の中に提供してきました。
出典:Introduction to Philosophy of Science – Shawn A. Miller
中でも、今回の記事で紹介するのは、
承認欲求の否定についてです。
承認欲求というのは、
誰もが少なからず持っている
「人に認められたい気持ち」のことを指します。
この気持ちがあるから、
人はこれを原動力に、
「頑張る」とか「努力する」
といった行為ができるわけです。
例えば、ある家庭のお子さんは
「テスト勉強頑張って、100点とって
お母さんに褒められたい!!」という風に、
周りの人にどう扱われるかが
モチベーションとなっている場合も多いと思います。
しかし、アドラーは
「そんなものは不健全である」
と承認欲求自体を突っぱねました!!
どうして、アドラーは
そんなことをやったのでしょう??
きっと、そこには何か意味があるはずです。
これから、一緒に
その意味を探っていきましょう!!
1、 承認欲求をなぜ否定したのか?
先ほど、導入で述べた例を再び使いましょう!
さっきのお子さん、
一見100点という目標に向かって頑張っていて
何も問題ないように思えます。
確かに、勉強を頑張っていって、
その結果、「100点なんてすごいね!」と褒められれば、
自分の自信になるでしょう!
でも、60点だったときに、
「60点しか取れないなんて、あなたはダメね!」
と貶されれば、
たちまち自信を失ってしまいます。
この子の何が問題かが
分かって頂けたのではないでしょうか?
点数が問題じゃないんです!
問題は自分が自信を持てるかどうかを
親の発言に依存していることです。
こういう生き方をとることで、
「自分がどうしたいのか?」という視点で
物事を見ることができなくなります。
言い換えれば、他人の人生を歩むという
状態になってしまいます。
自分の人生なのに・・・
アドラーはこのように承認欲求には
上に述べたような
危険性が潜んでいることを見抜いていて、
そうならないように、
承認欲求ではない
新たな考え方を提唱したのです。
2、 課題の分離
では、承認欲求に代わる
新たな考え方はいったい何でしょうか?
その第一歩が「課題の分離」です。
先のお子さんの例を再び使いましょう!
復習ですが、このお子さんの問題点は、
自分の価値を他人に委ねていたことでした。
ですので、アドラーは、
親の課題と子供の課題を分離することで、
このお子さんは自分の人生を
歩めるようになると結論付けました。
具体的に、この場合の子供の課題とは
「勉強を自分なりに一生懸命頑張ること」のみです!
その結果、テストが何点であろうとも、
点数に対して親に何と言われようとも、
それは自分の課題ではないと気づくことです。
テストの点数に対してどう思うかは親なので、
そこに関しては子供は介入することができません!
このように、どこからどこまでが自分の課題なのか、
考える癖をもって、「これは自分の課題だ」とか
「これは親の課題だな」と「気づく」ことが重要です。
こうすることで、子は親から何を言われたとしても、
気にならなくなり、自分軸の人生が歩めるでしょう!
次の章では、自分の人生を生きるための
最終ステップを紹介します。
3、 他者貢献
いよいよ、アドラーの考えの真髄に迫っていきます。
「自分の存在価値を実感する」ためには
どうしたら良いのか?
アドラーはその疑問に対して「他者貢献」であると答えます。
他者貢献とは 誰かの役に立っていると
「自分で」そう思えることを指します。
これは、承認欲求とは明確に違います。
承認欲求とは、「他人の評価」によって
誰かの役に立っていることを実感できるので
これは、他人の課題です。
対して、「他者貢献」とは
自分の主観で役に立った実感があるということです。
「いいことした~」というような感覚が最も近いです。
その感覚を得るには、
「自分の得意なこと・やりたいことは何か?」
を考えて、実際にやってみることです。
まとめ
(1) アドラーが承認欲求を否定したのは、
自分が他人の人生を歩まないようにするため
(2) 自分の人生を生きるには、
「課題の分離」と「他者貢献」を意識して生活する
この2点を意識して生きていけば、
たとえ今は苦しかったとしても、きっと
道が開けてくると思います。